ピアノの参考演奏や練習方法を解説したサイトは、新しいサイトに移動させる予定です。

新サイトはこちら >>


こちらの記事は、新しくなっています。

>>新しい記事はこちら

 

ピアノを上達させるには、何よりも練習することが重要です。しかし、大人であっても、子供であっても、音符を読んで鍵盤を覚えて、両手を動かす作業は、短時間でも乗り気のしないものです。

目標として習慣づけることがあげられますが、習慣づけもなかなか難しいことです。幼児や小学生は、自発的に練習しない場合、保護者がうまくコントロールしてあげる必要があるでしょう。

「毎日、当たり前のように練習すること」、これが最も大切なことです。考えないといけないのは、これを最低数年続けなければならないことです。「毎日」という言葉で、レッスンでやったこと、宿題になっているところを、毎日練習させようと頑張ってしまうケースがありますが、多くの場合は、息切れ状態に陥ります。

いろんな曲が弾けるようになることはとても楽しいことです。しかし、ピアノは、その基礎をつけるための訓練が他の習い事に比べて少し大変かもしれません。そのことを理解していただいた上で、練習の習慣をつける方法をいろいろと試していただきたいと思います。

大人になったとき、ピアノが弾けて後悔している人に、出会ったことがありません。どちらかといえば、「もっときちんとやればよかった」と言っている方が多いと思います。大人になってから、弾きたいと感じる方もいるようです。

タイプによって練習方法は違いますが、なかなか練習をしないと悩んでいる保護者の方に、一つの例として、参考にしていただければと思います。

すぐにはできるようにならないことを理解する

レッスンを見学していると、頭では理解していても、注意したくなって仕方がないという気持ちはよくわかります。しかし、どんなことであってもすぐにできるようになることもあれば、ならないこともあります。他の子はできていて、わが子がなかなかできなければ、親としても心配になることでしょう。

本人も、すぐにできるような気持ちでいると、もちろん最初は簡単ですので、進んでいくわけですが、そのうち詰まります。すぐには弾けないけど、少しずつ練習すれば必ず弾けるようになることを理解することが大切です。これは最初からよく言い聞かせます。

レッスン自体を、きちんと受けられない子もいます。練習をしない子もいます。一番、最優先にさせることは、「レッスンをまじめに一生懸命受けること」で、次に「話や演奏をきちんと聞くこと」、「恥ずかしがらずにやってみること」、「できる範囲で、毎日、練習すること」「宿題をやること」という順番で、できないことがあれば一つずつできるようにさせる計画を立てましょう。

素直に話を聞く子が、上達が早いのは言うまでもありません。練習をほとんどしない子でもレッスンをまじめに受けて、話や演奏をよく聴く子は、すごく上手になることが多いです。それを一番に考えたうえで、家での練習方法を考えてください。

しかし、レッスンをまじめに受けることでも、小さい子は、不安だったり自信がなかったりして、なかなかできるようにならないこともあります。特に、レッスンを見学している親は、長い目で見て戦略を練ってください。なお、レッスンの態度は、3年生から4年生くらいで、だいたい直りますので、そこまで心配する必要はありません。ただ、なるべく早くきちんとレッスンを受けたほうが、難しくなってきたときに苦労が少なくて済みます。

本人もそうですし、ピアノを習ったことがない保護者の方の場合もそうですが、一番理解しないといけないのは、ピアノはすぐにはうまくなりません。それと同時に、幼児であってもそこそこ難しいことをやらせます。人によってできることとできないことが全く違うのです。教えている方からしても、課題に出したことを全部こなしてくるとは思っていませんし、レッスンでできないことがあることも当然だと考えていますので、できないことを気にしてはいけません。

モチベーションを上げることの重要性

ピアノや楽器の難しいところは、練習は一人、レッスンもマンツーマンと、慣れてしまうと刺激が少ないにも関わらず、動きが複雑、どんどん曲をこなさないといけない、音符を読まないといけない、正確さを求められると、面倒で飽きる要素がたくさんです。

発表会やコンクールは、数少ない刺激を与える機会です。積極的に参加してみましょう。

男子と女子の違い

性格によって違うことは言うまでもありませんが、個人的な感覚として、男子と女子では違いがあります。

ピアノは女子が圧倒的に多いのですが、慎重な子、間違えることにも非常に敏感な子が多く、少しレベルの高い曲になるとできるかどうか不安に思う子が多いように感じます。そのため、どんなに演奏してみたい曲があったとしても、難しいからと躊躇する傾向にあります。年齢が進むにつれ、いい意味でも悪い意味でも切り替えが早く、一生懸命上達を目指すタイプと、のんびりとやるタイプとではっきりと分かれます。発表会やコンクールでも、慎重な分、大きな失敗は少ないのですが、ちょっとした失敗でも、非常に大きいこととしてとらえてしまうことがあります。ペースを守る傾向があり、大きくなっても、練習時間はやや多くなるか、あまり変わらないでしょう。

他方男子は、楽譜を読むのも指を動かすのもコツコツ練習するのも、女子に比べると苦手としている子が多く、モチベーションの上がり下がりも大きいですが、自分が気に入った曲であれば、難しい曲であっても、挑んでいく傾向があります。練習しない割にはプライドは高く、プライドが高い割には発表会の本番で非常に緊張のガチガチになってしまう子も多いでしょうか。ただし、高学年になると、レッスンの態度が、女子よりも真面目になり、本番でも落ち着いて演奏するようになります。だからといって、練習をたくさんするようにはならないのが悩みどころです。しかし、突然目覚めて、たくさん練習し始めるようになる子も多いのが特徴です。

女子は基本的にきちんと毎日練習させることを重要視してコツコツレベルを上げること、男子は、基礎ができた時点で、レパートリーを増やしたり、コンクールや発表会に積極的に参加させるとよいでしょう。

練習を続けるために必要なこと

見ている以上にやる方は負担になっていることを理解する

課題を何とかできている状態だと、保護者は、きちんと練習させようと考えます。しかし、練習している本人からすると、保護者が思っている以上に、難しく感じていることが多いのです。それを理解してあげることが重要です。

また、ピアノは、楽譜を読む、鍵盤を覚える、リズムをとる、耳で聴くという、様々な訓練をしていく中で、苦手なところが出てくるのは当然なことです。例えば、テキストが順調に進んでいても、手を置くポジションが少し変わっただけで、子供には受け入れがたいことかもしれません。

練習する習慣を長続きさせるために必要なのは、「練習が大変と思わないようにすること」「モチベーションが下がった時に、練習を続けさせること」です。

本人がやる気になっているときは、何も言わなくても練習したり、一声かけるだけで一生懸命やります。重要なのは、モチベーションが下がっているときに、練習を維持することです。その為には、「レッスンの宿題をこなすこと」と「ピアノに触れること」を分けて、考えればいいでしょう。

練習しないと「お菓子は抜き」「ピアノを辞める」は逆効果

きちんと練習してほしいあまり、つい言ってしまいがちな言葉ですが、すぐに練習をやればその子には効果があります。ただし、ほとんどのケースは効果がないと思いますし、仮に今日やっても明日はやらないでしょう。習慣化させる方法としては、効果が薄めです。

「練習しない」という選択も「ピアノを辞める」という選択もないことを子供に理解させる

一見すごく厳しいことのように思いますが、こちらの方が負担はありません。面倒なことをやらなくて済むという選択ができれば、特に子供ならそちらの方を選ぶのは当然のことです。両手になって、難しくなるタイミングなどは、練習が嫌でたまらない時期もあるかもしれません。習い事の中でも、音楽は、かなり細かい作業と多くの知識が初歩の段階でも求められます。子供がピアノに興味があっても、大変だからできないと考えてしまうのは当然のことです。

きちんと歯を磨く、手を洗うことと同じように、ピアノも練習するのです。ただし、いきなりレッスンで出た課題を習慣にして毎日やらせようとしたら、ピアノが嫌いになるかもしれません。

当たり前のように練習をさせること

どのような状況であっても、ある程度の練習時間を持たせることが大切です。その為には、まず、歯を磨くこと、手を洗うことと同じようにピアノを練習させます。そこに、「やろう」という提案は必要ありません。当然のこととしてやることを求めます。

「ピアノの練習を習慣化させること」と「レッスンで出た課題を練習させること」を分けて考えます。子供であっても大人であっても、難しい課題、苦手な内容、発表会で長時間練習した後などは、モチベーションが下がることがあります。モチベーションが下がっているときに、親がどんなに一生懸命練習を促したところで、本人はやる気にはなりません。レッスンでは、扱う曲は難しくなっていくわけですから、どこかで躓いてもおかしくありません。

練習を二段階に分けて、「モチベーションを下がったときでも練習を維持」することから始め、本人が楽譜や鍵盤をしっかり把握できるようになったら、レッスンの課題も毎日の習慣としてできるようにしていくと、モチベーションが高いときはレッスンの課題に一生懸命取り組み、モチベーションが低いときも、最低限の課題を弾く習慣がつきます。

特に子供は、ちょっとしたことでやる気を失うことがあります。それでも、スポーツのように、ある程度の他の人と一緒に練習するような機会があれば、自然と持ち直せることが多いのですが、ピアノは基本的に個人レッスンで、練習も一人、他の人がどんな状態かわかりません。モチベーションが下がっているときにどうするかが一つのポイントとなります。

レッスンで与えられた課題の練習

本人がやる気のときは、言うまでもなくレッスンの宿題も毎日やらせましょう。声をかけてみるのが大切です。その時の反応を見ながらやる気を判断します。特に、幼児や小学校低学年は、楽譜を読む力が十分についていなければ、指もまだよく動きません。レッスンの課題は、ステップアップしていくわけですから、若干難しい課題を出す機会が増えていきます。大人もそうだと思いますが、子供もできないことに対しては抵抗がありますので、無理をさせてはいけません。

やる気が感じられないときは、週に一回でもいいと思います。ただし、レッスン日以外に、最低1日は宿題に目を通すことはしましょう。レッスンを見学していると歯がゆい思いをするかもしれませんが、教えている方からすれば、いろんなタイプの生徒を見ていますので、状況によって対応していきます。

どんなに今まで上手くいっていたとしても、両手になったり、曲の難易度が上がったりすると途端にやる気をなくしてしまうことがあります。その状態になった場合、それまで宿題を毎日やっていたとしても、無理にやらせようとせず、量を減らしたり、練習日を減らす必要があります。無理に課題を全部こなそうとする必要はありません。

これとは別に、「毎日の練習を習慣化する」練習をしましょう。

習慣化するための練習

ピアノを毎日の習慣にするには、手始めにすでに弾ける曲(好きな曲、よく弾いている曲)を、毎日、同じタイミングで1回だけ弾かせてみることです。ここで大切なのは、1日目に、やらせすぎると次の日はすでに面倒になってしまうことです。それを防ぐため、「あっという間に終わる」「こんなものでいいんだ」と感じさせます。トイレのあと、お出かけした後の手洗いでも、「10分は手を洗い続けなさい」と言われたら、面倒で手を洗わなくなってしまうと思います。

二日目以降、短時間であっても、毎日となれば、面倒になってきます。ただし、体調不良以外のときは、選択の余地を与えません。トイレのあとの手洗いで、面倒なときはやらないということをしてしまうと、手洗いはしなくなるでしょう。

習慣化する目的では、最初は1分以内で終わっても構いません。いずれ、そこにレッスンの練習を組み込んでいくわけです。

練習時間が30分程度になっても対応できるようなタイミングがいいでしょう。理想を言えば同じ時間。ただし、曜日によっては、他の習い事もあるかもしれませんので、夕食30分前にやらせるというのでもいいかもしれません。また、毎日できない子もいると思います。その場合は、曜日と時間を固定することをお勧めします。

選曲

習慣化の手始めに練習させる曲は、短くて簡単で、できれば本人が気に入っているものがいいでしょう。飽きたとしても1週間は同じ曲をやらせます。これは、宿題を組み込めるようになったとき、レッスンは基本的に週一回ですので、ペースを作りやすくするためです。必ず1週間で変更する必要はなく、ずっと同じ曲を弾き続けても構いません。

1回から2回、そして宿題の練習へ

一日1回の習慣化ができたら、今度は、同じ曲(好きな曲)を2回弾かせます。ピアノに反復練習は欠かせません。同じことを2回やらせることで、繰り返し練習できる精神力を持たせます。

それもできるようになれば、レッスンの宿題も組み込んでいくわけですが、鍵盤を覚え、楽譜が読める状態になってからやらせてください。宿題は、複数の曲をやっていることがほとんどだと思いますが、主要教材の1曲だけでいいのです。片手ずつでも構いません。これも、1回ずつから始めて、2回ずつできるようにしていきます。

ルーティンを増やす場合は、何かきっかけを作ってあげるといいでしょう。例えば、誕生日、進級、コンクールで入賞、教材が完了などです。前もって「6歳になったら毎日の練習は、好きな曲を2回弾くんだよ」と当然のように言い聞かせておくと、抵抗も少ないでしょう。

慣れてきたら、指の運動をも組み込みます。これも1回から始めて、2回できるようにします。

  1. 好きな曲を2回
  2. テクニック2回
  3. メインの練習曲を2回

ここまでできるようになれば、あとは比較的安定している時期に、上記の内容にこだわらず、レッスンで出された課題をやるように促します。ただし、最初は、10分で練習をやめさせます。逆に、10分以内の場合も、上記の1-3を最低限やっていれば、何もいいません。やりたいときに時間を制限することで、次の日もやりたいという気持ちを持続させていきます。年齢やレベルに応じて、練習時間も、伸ばしていくといいでしょう。

レッスンの課題を自分でできるようになった時点で、「宿題の練習」を別に設ける必要はありません。ソルフェージュもこの中に組み込むようにできれば理想ですが、自分でやるのは、なかなか難しいかもしれません。書く宿題は、別途、時間を作る必要があるかもしれません。

まとめ

”当たり前のように毎日練習する習慣”

「宿題を練習すること」
「毎日の練習を習慣化すること」

この二つを別々のアプローチで身につけ、最終的に、宿題を「毎日の練習」に組み込んでいく。
ご紹介した方法は、あくまでも趣味でやっている方向けで、小さいうちからプロを目指している場合は、方向性としてはいいかもしれませんが、練習不足かもしれません。参考程度にしてください。

関連記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
TOP