今日のポイント

いつも真面目にレッスンを受けてくれるSさん。初めて1年も経っていませんが、テキストの進みもよく、順調に上達しています。今日は、和音の練習をします。これまでも和音は出てきましたが、より上手に弾くために、手首の使い方を学びます。

和音は、慣れるまで非常に難しく感じるかもしれません。弾き方はいろいろあり、雰囲気や流れによって使い分けをします。ここではそういう先のことではなく、最も基礎的なことで、手首の脱力を学びます。

力の方向を意識する

和音を演奏するときに、下の方向に重さをかけるわけですが、音が出たら重さを取らなければなりません。これは、鍵盤から指を離すわけではありません。下の方向に力を入れなくても、鍵盤が上がらない限り音は保てます。この動作がつかめない人が結構いるようです。

和音に限ったことではありませんが、力や体重を下の方向にかけ続けるのは、演奏上、あまりよくありません。指の動きも悪くなりますし、疲労が出やすくなります。また、離れた鍵盤を演奏するときに、ワンテンポ遅れてしまうことになるでしょう。この移動するときの遅れの原因が、鍵盤の迷いやリズム感だけではなく、重さの方向が下向きのままだからということも症状としてはかなり多いと思います。では、どのような状況がいいのかといえば、どの方向にも行けるように「軽くしておく(=手首がブラブラな状態)」のがいいでしょう。

脱力できているか確認する

今回のレッスンでは行っていませんが、力や重さの方向がどこにあるのかを確認するには、片方の手で和音を弾き、そのまま音を保っている状態で、他方の手で弾いている手の手首を持ち上げたり左右に振ってみてください。力が入っていると動きが鈍く硬さを感じることができます。脱力ができていれば、手首は動かした方向に動きます。

常にこの状態にするわけでなく、状況によって下の方向に重さを置き続けることもありますが、この力を抜く動作を基本としなければいけません。

練習の方法

レッスンでは、音を伸ばしたまま、手首を上げ、自然と指先を鍵盤から離す練習をしています。まずは、音の長さを考えず、ゆっくりと動作を覚えます。それから正確な長さでできるようにしていきましょう。

さらにスタッカートの練習もしています。スタッカートにもいろいろな弾き方がありますが、ここでは打鍵の時点で手首を上方向へ向かわせる方法を練習しました。

これも1日2日でできるようになるわけではないので、焦らずに、でもしっかりと動作を覚えていくことが大切です。

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