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1. 発表会の目的

1. 日々の練習で培った知識やテクニックを用いて音楽作品を演奏し、さらなる技術の向上を促す。
2. 練習計画、練習、調整、リハーサルなど、本番でよりよい演奏をするためのプロセスを学ぶ。
3. 様々な演奏を聴いて、演奏のヒントを得る。

 日々の練習曲は、1つ、2つ程度の技術や知識を身に付けます。練習しやすいように、曲は短く、少ない要素で目的がわかりやすくなっています。つまり、身に付けてほしいテクニックや知識のために作られた曲であったり、選曲された曲であるということです。しかし、実際の曲は、ピアノが上手になるように作られているのではありません。小さい曲をたくさんやることで得られる成果は多いのですが、定期的にある程度の規模がある音楽作品を演奏することは大切です。仕上げるためには、習ってきたことをすべて出し切り、応用しなければなりません。それでいて、計画的に、辛抱強く練習する必要があるのです。

 大きな音楽作品に取り組むことは、真剣に練習と向き合うよい機会となります。

 当教室は、楽しくピアノを弾くことを、指導する上で重要視していますが、それは決して、遊び半分でやってほしいわけでもなく、楽しそうに練習するということでもありません。練習が楽しいと感じるのは人それぞれですが、練習は苦手と感じている人は多くいます。練習が嫌いならそもそも好きじゃないということを言う人もいますが、そんなに単純ではないですよね。保護者としては、なかなか理想としている雰囲気にはならず、大変そうだな、そこまでやる必要あるのかなと感じてしまうことも多いのです。迷うところではありますが、一つ言えるのが、ずっと頑張る必要はないということです。むしろ、常に頑張っている状態というのは継続が難しいことです。勉強であっても、ピアノであっても、常に全力で努力し続けると燃え尽きます。がんばるタイミングがあるのです。

 年単位の大きな練習計画から考えると、発表会は、がんばるタイミングを作るのに最適です。人前での演奏という目的があった方が練習する気になるでしょう。そして、その発表会の曲を練習する期間も、常に全力ということではありません。同じ練習時間でも、その曲の習得状況によって、練習効果が出やすいタイミングとそうでないタイミングがあります。

 その練習計画も常に成功するわけではなく、失敗を経験しながら身についていきます。失敗というのは何も本番の演奏が失敗するのではなく、分かりやすい状況で言えば、練習が遅れて直前に慌てて練習するようなことが含まれます。自分の現状と実力、できるようになるまでの時間を考える本番一発勝負に向けたこれらの取り組みで、勝負強さが育ち、ピアノ以外の様々な場面でいかされていくことを期待しています。

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