年少さんのY君。最近、両手の課題も出始め、一生懸命練習しています。今回の宿題は、2曲暗譜で演奏すること。

さぁ、できるでしょうか。

ちょっと「10人のインディアン」は、天の声が聞こえていましたけど、よく頑張りましたね。多分、知らない曲なんでしょう。「ハッピーバースデイ」はばっちり覚えていました。これから楽しみですね。しっかりした音を出しています。

暗譜は、歌を覚えるのと同じ感覚で、耳がよければどこの鍵盤を弾けばいいのかわかるので、覚える時の強い味方です。Y君も、耳がいいので、ハッピーバースデイは、歌えるんだと思います。10人のインディアンは、頭の中でメロディーが思い浮かばない状態だったのでしょう。

レベルが上がってくると、暗譜は、音楽が頭の中に思い浮かぶだけでは厳しいものがあります。動きが複雑だからでしょうか。なので、暗譜というのは、「動作で記憶」して「耳で確認」していることが多いと思います。僕の勝手な感覚ですが…。そして、同債の記憶と耳だけでも繰り返し練習を積めば、間違えずにできるようになります。

ただ、通用するのは練習のときだけです。本番の時、動作は緊張すると筋肉が硬くなりいつもの動きではなくなります。動作で記憶しても、記憶した通りに動いていない状態です。しかも、緊張していると鼓動が速いので、自分ではいつも通りの速度だと思っていても速くなっていることがあります。これもまた練習とは違う動作をしてしまっているわけです。

すると、頼りになるのは耳ですが、これも歌の歌詞が飛んでしまうことがあるように、メロディーそのものがどこかに飛んでいってしまうことがあります。「動作の記憶」と「耳の確認」だけでは、ここで完全にアウトです。いわゆる頭が真っ白状態に陥りますね。特に動作と連動して音を覚えていると、音楽自体が飛びやすいので、いくら耳がよくてもダメです。動作が練習と違えば音もわからなくなるのです。とても怖いですね。

小さい子供が、緊張で頭が真っ白になるのは、もともと鍵盤をしっかり覚えていない子が多いので、大体、曲の弾きはじめに、やらかしてくれる子が多いのですが(舞台と教室、自宅の鍵盤が違って見えるんですかね、舞台でのリハーサルをやると、そういうことは少なくなります)、レベルが上がって、真っ白になるのは、暗譜を意識して練習をしていないためです。余裕がない場合は仕方ないですが、余裕がある場合は、以下の練習も取り入れるといいと思います。

【暗譜するための練習】
  • 片手ずつの練習(暗譜で)★
  • 片手ずつの練習(音名を言いながら)★
  • 寝起きで練習(体が硬い状態ですので、ケガしないように)
  • 走る、ジャンプするなどして、心拍数を上げてから練習(倒れないように)
  • 楽器を使わず、楽譜を読む、音名を言いながら読む、演奏をイメージしながら読む★
  • 写譜する
  • 楽器を使わず、楽譜を見ず、本番をイメージして演奏する★

★印がついているものはなるべく行うといいでしょう。特に片手ずつの練習は、暗譜だけではなくて、技術的にも効果があると思います。それ以外のものは、ちょっと、僕はやりますけど、どうですかね。やっても失敗するときは失敗しますから笑。特に発表会なんて、僕、成功した試しがないですからね。嫌になっちゃいますよ。でも、発表会のは準備に追われていて、暗譜のための練習はおろそかになりがちかもしれません。次はちゃんと考えて準備しようっと。

関連記事

  • 関連記事
  • おすすめ記事
  • 特集記事
TOP