年中のH君。昨年、初めての発表会でも、落ち着いて演奏し、レッスンの態度は、とても真面目になってきて、お話をきちんと聞くようになりました。

アウフタクトの曲です。アウフタクトとは、弱起の意味で、1拍目から始まっていない曲のことを言います。アウフタクトの曲は、ジャンルを問わず非常に多いのですが、聴いている以上に、演奏は難しいようです。弾き語りをする人なんかは苦労しないようで、僕も小さいころから歌が好きで弾き語りをしていましたので、苦労した覚えはありませんが、リズムについてはたくさん注意を受けていました。教えている経験では、初心者の10人中8人は、リズムがうまく取れません。そして、訓練を続けていると、リズムを意識できるようになり、徐々にできるようになってきます。なかなか思う通りにリズムが取れなくても、気を楽にして取り組んでほしいものです。

アウフタクトが難しい理由としては、強い拍がずれていることがあげられます。拍子は、強い部分と弱い部分を繰り返します。例えば、4拍子であれば「1 2 3 4 = 強 弱 中強 弱」を繰り返します。他の拍子でも、基本的に、1拍目は強拍です。なので、初歩の学習者は、1拍目が強いというイメージを持ちます。

しかし、動画にある「聖者の行進」では、最初の音が、2拍目の弱拍から始まります。この最初の音を1拍目の感覚で入ってしまうと、合わなくなります。その為、慣れていないと、左右のタイミングが逆になったり、アンサンブルではどんどんずれていきます。そして、アウフタクトの曲は、油断していると途中からずれることもあります。

H君は、自宅では片手ずつしかできなかったようで、レッスンの際に両手で練習させましたが、最初は、全く左と右がバラバラになり、できていませんでした。ただ、片手ずつはしっかり弾けていたので、あとはリズムを取ってあげながらゆっくりと練習させたら、徐々にできるようになってきました。最初はできるようになっても、中途半端な拍から入るフレーズがおおいので、途中で左のタイミングがずれ始めていますね。きっと自宅で練習して、次回はできるようになっていると思います。

ちなみに、左の伴奏形体も、初歩の子供には非常に難しく、ようやく弾けるようになったと思ったら、今度はリズムでつまずいて、ちょっとかわいそうですね。動画では、遠慮していましたが、カメラを止めたら、次回は合格と自信満々に言っていました。できないことも、ちょっとしたコツと練習で、できるようになることをどんどん知ってもらいたいです。

<参考動画>

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